受験生のみなさまへ

Q&A


※以下の説明は,2016年度以降入学生(編入学生は2018年度以降)のカリキュラムに基づきます。なお,2020年度以降入学生(編入学生は2022年度以降)より、4単位の科目を二つの2単位科目に分割することにより,セメスター開講(週2コマで前期または後期に開講)からクオーター開講(週2コマで各クオーターに開講)に変更するなど,若干のカリキュラム改定を行いました。

講義・カリキュラムについて

Q .1日の授業で、法学系の授業は何時間あるのですか。

A. 1年生はそれほど多くなく、週に3コマ(1コマは90分)程度です。2年生・3年生は、1日3コマ程度が専門科目(法学・政治学系科目)の授業となります。4年生は、3年生までの単位修得状況により様々で、週数コマの人から、1日3~4コマ履修する人もいます。

Q. 法学類以外の授業は、どんな科目でも受講できるのですか。

A. どの学類の講義でも受講することができますが、他学類の科目で、法学類卒業に必要な単位数に含めることができるのは公共法政策コースの学生は15単位、企業関係法コースの学生は21単位、総合法学コースの学生は24単位までです(1学期(=2クオーター)1コマで2単位)

Q. 法学類のカリキュラムを教えてください。

A. 1年生は共通教育科目と一部の専門科目を学びます。共通教育科目には、高校での勉強から大学での勉強の橋渡しとなる導入科目、どの専門分野に進む場合でも必須のツールである語学を身につけるための言語科目(英語+初習言語)、GS(Global Standard)科目などがあります。1年生が履修できる専門科目は「法学概論」「政治学」「民事法入門」「憲法」「法律実務」「基礎演習」「English for Legal Studies」などです。

2年生以降は、専門の法学・政治学の科目が中心となりますが、学年が上になるにつれて、基本的な科目から発展的・応用的な科目へと進んで行くことができるよう、カリキュラムが工夫されています。また、法学類では、3・4年生で、学生があるテーマについて主体的に調査してきた結果を報告し、これをもとに参加者で議論をするという「演習」が必修となっています。

なお,大学院科目の先取履修制度があります(2020年度から)。この制度により,本学の法学研究科法務専攻(法科大学院)または法学・政治学専攻(修士課程)進学を希望する4年生及び早期卒業予定の3年生で一定の条件を満たす者は,法学研究科の一部の授業科目を10単位まで履修できます。修得単位は,進学後に法学研究科の既修得単位として認定されます。

Q. 授業の形態について教えてください。

A. 多くの授業は講義形式で行われます。講義形式の授業には、担当の先生の個性や授業科目の特性に応じて、いろいろなものがあります。一般には、先生の講義を聴講するというスタイルが多いのですが、例えば、学生を次々にあてて返答を求め、これを中心に授業を進める先生もいます。この外には、演習形式の授業、実習形式の授業もあります。演習形式の授業は、比較的少人数で、学生が特定のテーマについて調査・研究してきたことを報告し、これをもとにして参加者がそのテーマを議論し合うもので、法学類では、1年次第1クォーターの「アカデミックスキル」、第2クォーターの「プレゼン・ディベート論」をはじめ「基礎演習」、3・4年次の「演習」(ゼミナール)と、この形式の授業が数多く設定されています。実習形式の授業には、「法律実務インターンシップ」(法律事務所,司法書士事務所,企業の法務関係部署等での仕事体験など)や「計量分析実習」があります。

Q. 1年次から4年次までの専門科目の内容を教えてください。

A. 1年生は、専門基礎科目(「法学概論」「政治学」「民事法入門」)や「憲法(人権)」などを学びます。2年生になると、憲法・民法・刑法・商法・国際法などの法律学系基本科目や政治学系基本科目の学習が本格化します。3・4年生は、演習(ゼミナール)に所属して特定の科目をより深く学ぶと共に、目指す進路に応じた発展的な科目(「知的財産法」「税財政法」等)や基礎法学科目(「法理学」、法制史、英米法等)を学びます。

Q. 専門科目以外にはどのようなことを学ぶのですか。

A. 卒業のためには「共通教育科目」を36単位以上とる必要があります。共通教育科目には、英語と初習言語(独・仏・中・韓・露・西・ギリシャ・ラテン)の他に、各学類や国際基幹教育院の教員が開講する科目があります。さらに、希望者は2年次より「副専攻」を履修することも可能です。それぞれの副専攻で指定される科目を22単位前後履修・合格することにより、卒業時に「副専攻」修了が認定されます。なお、副専攻制度は、時間割上の空き時間を利用して履修する制度です。希望するすべての科目の履修を保障するものではありません。

Q. 3年次のコース選択について教えてください。

A. 法学類では、3年次進級時にコース選択をします。それぞれのコースは、学生の卒業後の進路に即したカリキュラムとなっています。企業関係法コースは民間企業に就職することを考えている人を、公共法政策コースは公務員になることを考えている人を、総合法学コースは法科大学院・法学系大学院に進学することを考えている人を主な対象としています。したがって、基本的には各人の進路志望に合わせてコースを選択していただきますが、選択したコースによって将来の進路が拘束されるわけではありません。

なお、総合法学コースのみ、2年次前期までの成績が共通・専門科目総合のGPA値(履修した科目の成績の平均値)で2.0以上であることを志望条件とします。GPA値2.0は、年にもよりますが、法学類2年次の平均値に近い値です。

各コースの志望者数(編入学生除く)は下記のとおりです。

入学年度 公共法政策コース 企業関係法コース 総合法学コース
2015 109 44 18
2016 116 38 16
2017 119 38 18
2018 109 45 25
2019 119 39 16
2020 114 44 14
Q. 法学類では、全ての法律を覚えなければならないのですか。

A. 法律を暗記する必要はありません。むしろその意味を理解することが重要です(ちなみに、定期試験では、六法を持ち込むことができます)。

Q. 3年で大学を卒業できる制度はありますか。

A. 所定の申請をあらかじめ行い、3年次終了時点で卒業に必要な単位をすべて修得するとともに、GPA値が3.0以上である者と,2.8以上3.0未満かつ本学の法学研究科に進学する者とに対し、早期卒業(在学期間を3年間に短縮して卒業すること)を認めています。これまでの早期卒業者は,2011年3月2名、2012年3月0名、2013年3月1名、2014年3月0名、2015年3月1名、2016年3月3名、2017年3月2名です。この制度を利用すれば,法学類3年と法学研究科法務専攻(法科大学院)2年の最短5年で司法試験受験資格を得ることができます。

就職・進路について

Q. 法学類を卒業した人の進路を教えてください。

A. 各年度の卒業生の進路は下記の通りです。

卒業年度 卒業者 進学 民間企業 官公庁 独立行政法人等 その他(未申告者含む)
2015 172 10 52 88 3 19
2016 176 11 59 95 2 9
2017 169 7 57 86 0 19
2018 164 9 69 69 1 16
2019 168 9 53 79 4 23
2020 175 15 52 86 3 19
Q. 卒業後、公務員になる割合はどれくらいですか。

A. 例年4〜5割程度です。とくに地方公務員(県庁・市役所など)、国家公務員一般職試験の合格者が多いのが特徴です。なお、金沢大学の生協では、公務員志望の学生のための「公務員試験対策講座」を開催しており、多くの法学類生が受講しています(詳しくは金大生協のWebをご覧ください)。

Q. 進学先にはどんなところがありますか

A. 法科大学院とそれ以外の大学院に分かれます。法科大学院は、弁護士、裁判官、検察官といういわゆる法曹を目指す人が学ぶ大学院であり、金沢大学法学類の卒業生も各地の法科大学院に進学しています。また,法学研究科等,法学・政治学研究のための修士(博士前期)課程に進学する人もいます。

法学類卒業者で法科大学院へ進学した者の進学先と人数は以下の通りです。

  • 2014年度卒業生:金沢1,東北1,名古屋4,神戸2,中央1,愛知1
  • 2015年度卒業生:金沢2,一橋1,名古屋1,神戸1,早稲田1,中央1
  • 2016年度卒業生:金沢5,千葉1,京都1,大阪1,慶應義塾2
  • 2017年度卒業生:金沢1,千葉1、名古屋1、神戸1
  • 2018年度卒業生:名古屋1、大阪2、神戸3、首都(東京都立)1、中央1
  • 2019年度卒業生:金沢5、京都1、大阪2
  • 2020年度卒業生:金沢4、千葉1、京都1、大阪市立1、慶應義塾1
Q. 就職先にはどんなところがありますか。

A. 卒業生は、銀行、証券会社、建設業、電力、運輸等、あらゆる分野の企業に就職しています。

Q. 一般的に、どんな職種についていますか。

A. 法曹(弁護士・検察官・裁判官)、司法書士、大学の研究者、国家公務員(総合職・一般職・専門職(法務省専門職員・国税専門官・労働基準監督官など)・裁判所事務官など)、地方公務員(県庁・市役所・警察官など)、大学職員、民間企業の従業員などです。

Q. 法学類に入ると、どんな職業の道が開けますか。

A. 学類(学士課程)卒業後に直接就職する場合は、官公庁・民間企業が主な就職先となります。その他、大学院修士(博士前期)課程・博士(博士後期)課程を経て大学の教員になったり、法科大学院に入学して法曹を目指すことも可能です。司法書士試験・行政書士試験を受ける学生もいます。短期・長期の留学を経て、国際組織の職員を目指すことも可能です。

司法試験・資格について

Q. 司法試験の合格者数を教えてください。

A. 旧司法試験における金沢大学卒業生の合格者数は、これまでの累計で約170名です。新司法試験における金沢大学法学類卒業生の合格者数は、2017年4名,2018年7名,2019年9名です。

Q. 司法試験に合格するための講義・講座はありますか。

A. 大学院への進学を考えている学生のための「総合法学コース」を設けています。また,2019年度以降の入学者を対象に、法科大学院進学を志望する学生のための「法曹養成プログラム」が「総合法学コース」内に設置されています。

弁護士という職業の魅力を皆さんに知ってもらうために、本学法科大学院のコーディネートで、「法律実務」という授業科目も開講しています。

Q. どんな資格が得られますか。

A. 法学類では高校公民の教員免許を取得することができます。

Q. 法学類生として取得したほうが望ましい資格にはどんなものがあり、実際に取得する学生は何人いますか。また、卒業後に取得できる資格は何ですか。

A. 在学中、または卒業後に司法書士・行政書士・税理士・社会保険労務士などの資格試験を受験することができますが,残念ながら合格者数の統計は取っておりません。

なお,法学研究科法学・政治学専攻に進学し,税法に関する研究によって修士号を得ると,税理士試験において税法に属する科目の試験免除を受けることができます。

法学類では、勉学の達成度を測るための「法学検定試験」の団体受検を行っているほか、2015年度入学者からは、法学検定試験各コースの合格者に、法学類の専門科目の単位を認定する制度を新設しています。

Q. 法学を勉強すると有利になる資格試験はなんですか。

A. 試験科目に法律学が含まれている資格・採用試験は主に下記の通りです。弁護士・検察官・裁判官(司法試験)、司法書士、行政書士、弁理士、社会保険労務士、不動産鑑定士、税理士、公認会計士、宅地建物取引士、国家公務員、地方公務員、外務省専門職員、裁判所事務官、家庭裁判所調査官補、労働基準監督官A、国税専門官、通関士、法務教官、衆議院法制局職員、衆議院事務局職員、参議院法制局職員、参議院事務局職員、国会議員政策担当秘書、国立国会図書館、法学検定試験貿易実務検定試験

法科大学院について

Q. 法科大学院とは何ですか。

A. 法科大学院(ロースクール)は、法曹(裁判官・弁護士・検察官)の養成を目的としています。標準修了年限は3年ですが、法科大学院の1年目で学ぶ内容をすでに修得していると認定された学生は2年の短縮コースに入学することができます。法科大学院を卒業すると、司法試験の受験資格が与えられます。

Q. 金沢大学法科大学院修了者の司法試験合格者数はどれくらいですか。

A. 金沢大学法科大学院(金沢大学大学院法学研究科法務専攻)修了者の修了年度別,司法試験実施年度別合格者数については,同専攻のWebをご覧ください。

Q. 学部卒と大学院卒とでは、何がどう違ってきますか。

A. 学士課程(本学では学類)では、法学・政治学の基礎的な内容を幅広く学びますが、大学院(法科大学院を除く)では、自分の選んだ専門分野を深く研究します。一般的には、民間企業に就職する場合は学部卒業で十分とも言われますが、大学院博士前期課程(修士)を修了後に就職することも可能です。官公庁に就職する場合も、学部卒業後すぐ採用されるのが普通ですが、大学院でより専門的な知識を得てから公務員となったり、また、公務員が仕事をしながら、または一時休職して大学院で学ぶという例もあります。

その他

Q. 奨学金制度について教えてください。

貸与制度としては、日本学生支援機構の奨学金制度があります。無利子の第一種奨学金と利子付の第二種奨学金があり、日本学生支援機構が定める一定の学力水準と家計基準を満たした学生であれば、申請することができます。その他にも、地方公共団体、企業、財団等の奨学金制度もあります。
なお、授業料免除および就学支援制度については、金沢大学Webをご覧ください。

Q. 法学類の設備について教えてください。

A. 講義・演習用教室の他に、人間社会2号館の6階に「法学類図書室」があり、法学・政治学に関する和・洋(主に英独仏)雑誌、書籍、判例集、辞典類、データベースなどを利用することができます。学類生・院生・教員を問わず、自由に出入りが可能で、書籍は貸し出しもできます。開室時間は授業期間中は平日9:00~20:00、長期休業中は平日9:00〜17:00です。また、法科大学院の図書室が別に設けられており、一定の手続きを経て入室することが可能です。さらに、3階と1階には法学類・経済学類共通の自習室があります。

法学類公認6サークル(金澤法友会、金沢大学法律相談所、関西模擬国連北陸支部、金沢ディベートサークル、地域ブランディング研究会、金沢市選挙サポーターE7)は、それぞれ人間社会2号館または1号館にある自習室を優先的に利用することが認められています。

Q. 法学類に入ると、どんな有利な点がありますか。

A. 様々な社会問題に対して、法的知識を踏まえつつ冷静に対処する能力を身につけることができる、というのが最大の「有利な点」です。法律は社会の基本的なルールですので、将来、どのような進路であっても役立つ知識や考え方を身につけることができます。

Q. 法学類でも理数系の力が必要ですか。

A. イメージとは違うかもしれませんが、法学や政治学においても社会の様々な状況を数的情報をもとに分析する研究があります(たとえば「計量分析」、「政治コミュニケーション論」など)。なお、共通教育科目「データサイエンス基礎」は法学類においても必修科目となっています。

Q. 転学類制度について教えて下さい。

A. 転学類は2年進級時に行なわれ、そのための試験は1年後期に実施されます。他学類から法学類、法学類から他学類への転学類がともに可能です。転学類の条件は転学類を受け入れる学類ごとに定められています。

(2021年5月25日更新)