法学類について

学類長挨拶

よりよい社会実現のための法的・政策的な観点から
複雑な問題の解決をはかり、社会に貢献する

 
金沢大学法学類長
合田 篤子

 法学や政治学を身近な学問であると感じる人は少ないかもしれません。しかしながら、法学や政治学とは、広く社会における法制度やルールのあり方を学び、社会で起きるさまざまな問題に対する妥当な解決策を考える学問であり、わたしたちの毎日の暮らしと密接に関わる学問といえます。

 また、法学・政治学を学ぶというと、難しい専門用語を覚えたり、法律の条文を丸暗記したりすることだと誤解されがちです。もちろん基本的な用語を理解する必要はありますが、条文をそらんじる必要はありません。法学・政治学を学ぶ意義はたくさんありますが、中でも法的思考力、つまり、論理的に筋道を立てて考えていく能力を習得することが重要になります。

 

 法的思考力を養うということは、たとえば、何が問題の核心なのかを発見し分析する能力、多様な価値観も踏まえた公平妥当な解決案を考え出す能力、自分の考え方を説得的に相手方に伝える能力を鍛えることにもなります。このような能力は、社会のいずれの場面でも必要とされますし、みなさんの人生において大きな財産になると思います。特に、最近では、生成AIに代表される科学技術の進展によって社会が大きく変容し、これまでにない新しい問題に直面することにもなるでしょう。法学・政治学を学ぶことを通して培った法的思考力は、そのような未知の局面においても必ずや必要とされます。

 

 金沢大学法学類は、前身の法文学部、法学部の時代も含めれば70年近い歴史を誇り、法曹はもとより、公庁や民間企業で活躍する多数の人材を輩出してきました。特に最近では、「法曹養成プログラム」を設置し、法曹養成にいっそう力を入れています。このような歴史を絶やさないためにも、現在も少人数教育をモットーに、教育、研究ともに意欲あるスタッフが、学生としっかり向き合い指導にあたっています。みなさんも、熱心な先生方の講義を聞き、ゼミナールでは仲間達と切磋琢磨し、この伝統ある金沢の地にて法学・政治学を一緒に学んでみませんか。