1/19 特別講演会「企業は投資家に何ができるか」を開催
平成29年1月19日、本学人社第1講義棟101講義室にて、宮崎祐介先生(神戸学院大学准教授)による特別講演会「企業は投資家に何ができるか」を開催しました。
講演では、コーポレートガバナンスに関する議論が多くを占める会社法学において、企業の判断を実体的に基礎づけているファイナンスの重要性を示していただいた後に、会社法上の制度である自己株式の取得について、そのモチベーションについて解説していただきました。わが国では伊藤レポートやこれを基礎とした日本再興計画などの影響もあり、企業のROE向上への機運が高まっている現状を解説していただき、そのために自己株式の取得が用いられているとのお話を伺いました。
他方で、自己株式の取得の場面では、その価格設定のあり方や取引態様のあり方によって、不公正な取引、富の移転が生じる可能性も否定できないとの懸念が示されました。上述のようなファイナンス上の目的とこれを実現するための利便性の確保と、公正な取引の実現という点が法的な課題であるとのお話を伺いました。
ご講演の全体を通じて、豊富な情報が提供され、とりわけ民間企業の実際の行動が、どのような理論に基づいて決定されているかについて詳細なご報告を伺うことができまた。本講演会を契機に、本学学生の学習機運が高まり、企業行動への関心が喚起されることが期待されます。