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倉田 徹(政治学特講「現代中国論」)

倉田 徹(政治学特講「現代中国論」)

4月1日付けで金沢大学に着任しました。現代中国政治、とりわけ、1997年のイギリスから中国への返還後に、社会主義中国で資本主義の体制を維持するという、「一国二制度」という独特な政治体制を採用している香港の政治を、主な研究の対象としています。 父が香港資本の企業に勤めていた関係で、幼い頃、両親に連れられて初めて訪ねた外国が香港でした。幼児のイメージの中で、「ガイコクとは、キンパツで青い目の人たちが、エイゴをしゃべっているところ」と思っていた私は、香港の街を歩き、私たちと同じような外見の人々が、漢字を使っている場所もガイコクにはあるのだということを知り、大いに驚きました。そのような香港との最初の接触以来、様々なきっかけがあるごとに中国への関心が深まり、とうとうこれが私の生涯の研究テーマになってしまいました。 現代中国政治の研究は、「中国とは何か」を探求する現代中国学(地域研究)の切り口と、「政治とは何か」を探求する政治学の切り口の、二つの突破口から行うことができます。政治学の知識だけで、独自の文化や慣習、歴史や地理的条件に規定された中国の政治を、完全に理解することはできません。一方、中国のことしか知らないのでは、他国と比較しての中国の特徴を論ずることはできません。現代中国政治を理解するためには、双方の切り口からの視点を同時に持つことが、最も理想的です。 したがって、私は地域研究と政治学という、二つの「専門」を持っています。しかし、外国政治の分野に限らず、法学と政治学のすべての研究分野が、経済・社会・文化などのあらゆる具体的な現象から、直接的に多大な影響を受けます。このため、法学や政治学を志す皆さんには、日頃から世の中の森羅万象によく関心を向け、また、様々な土地を訪ねて見聞を広め、視野の広い人間となるよう、訓練を積んで欲しいと思います。 …と言うとなんだか堅苦しいですが、要は方々を旅行して、面白いものを見聞きして、素直に感動し、考えることができるようなセンスを、学生の皆さんには育ててもらいたいのです。その点、香港も金沢も、多くの人が観光に訪れる、実に魅力的な町ですね。 私は金沢大学では国際学類で「現代中国論」、法学類で「政治学」の講義を担当しますが、それぞれが上述の二つの切り口に対応した講義であると言えます。学生の皆さん、教室で会いましょう。 2008年 5月22日掲載