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法学類月報第136号を発行

法学類月報第136号を発行

法学類月報は、広報委員会および学生ボランティアの協力により、法学類の最近のトピックやコラム、エッセイなどを通じて法学類の「今」を関係者の皆様にお伝えするものです。

※試行的にhtml版を直接掲載しています。PDF版はページ下部のリンクからご利用いただけます。


 10月になっても暑い日が続き、いつになったら秋になるのか待ち遠しかったですが、ここ数日で一気に寒くなりましたね。朝晩冷え込むので温かくして過ごしましょう。第136号は山崎先生の教員エッセイと、森廣ゼミと公認サークルである法友会による夏休み中の活動報告です。


教員エッセイ 第91回「研究室への電話」 山崎友也(憲法)

今年のノーベル化学賞を受賞した北川進先生の朝刊記事を読みながら、思わず吹き出してしまった。同先生は、受賞の連絡を、研究室で仕事をしているときに受けたという。「よくかかってくる変な勧誘の電話かと思い、びっくりしました」。ノーベル賞を受賞するような大学者でも、私のような凡庸な一研究者と同じように、日々「変な勧誘の電話」に悩まされているのだなあ、と何ともほっこりした気持ちになったというわけである。

「変な勧誘の電話」は、なぜか私が忙しい時に限ってかかってくる。「勧誘」とは、そのほぼすべてが「マンション買いませんか」である。以前は、図々しい電話口の相手に「薄給の国立大学教員に都心のマンションを買う余裕などない」といちいち正直に伝えたものだが、相手は「いえいえ、先生。そんなことはないでしょう」と全く根拠のない返事しかしない。そのうち、同僚のアドバイスに従い、受話器をその辺に放置したまま、かけてきた相手にしゃべらせ続けるという手を使ったこともある。が、うるさいだけであった。最近は、かけてきた電話主の声の調子を聞いてすぐに電話を切ることにしている。とはいえ、ノーベル賞はあり得ないにしても、突然かかってくる電話の中にはもしかしたら「マンション譲ります」など吉報が含まれているかもしれない、と淡い希望を抱く昨今である。

 

 

最近の出来事から:合同ゼミ、弁護士事務所訪問を経て

森廣ゼミは9月に、岡山大学の田代ゼミとの合同ゼミ、及び弁護士事務所訪問を行いました。

合同ゼミでは、京都大学の原田大樹先生・吉川聡美先生にもご参加いただき、森廣ゼミ生は判例評釈に関する報告を行いました。原告適格や行政裁量の問題に関し核心を突くツッコミを交え、活発な議論が展開されました。原田先生からの講評では、「良い評釈を書くためには、判決のテクストを起点とすることが大切である」とのご助言をいただきました。判決内容を正確に理解し、最高裁の論理を検証する形で評釈を行うことの重要性を再認識しました。

翌日は2つの弁護士事務所を訪問しました。介護福祉分野に特化した業務を行っている弁護士法人かなめでは、代表弁護士の先生から「事務所の弁護士を増やし、働きやすい福祉の現場を当たり前にすることで、社会の発展に貢献する」というビジョンを語っていただきました。厳しさを増す福祉現場の環境をうかがい、法的なサポートを行う意義を感じました。

「“弁護⼠として”という⾔葉に囚われず働くことを大切にしている」と。
弁護士法人かなめにて

 

次に訪問した山口法律会計事務所では、行政救済法の講義で学習したアスベスト訴訟に関わっている先生からお話をお聞きしました。アスベスト関連疾病には発症までに長い時間がかかるという特徴があり、それ故に生じる因果関係の立証の難しさや、1人の力は小さくとも弁護団を作って活動することで、理不尽な現状を地道に動かし、社会に大きなうねりを作るという活動の魅力についてお話をいただき、貴重な経験ができました。

2つの事務所には目指す将来像などに違いがあった一方、先生方の仕事にかける熱意は共通していると感じました。今回学んだことや感じたことを活かし、ゼミ生一同、各自の目標に向かって努力していきたいと思います。

法学類3年 M. K.

 

公認サークル:首都圏で働く卒業生との懇談会

金沢法友会は、毎年9月に東京で行われる「法と教育学会」に参加しています。今年はその上京に合わせ、法友会メンバーと金沢大学法学類(法学部)卒業生の方々との懇談会が初めて実現しました。

昨年度本学で講演会をしていただいた弁護士の金子浩子先生のご協力を得て、首都圏で活躍されている弁護士、自治体職員や税理士事務所で働く方など6人の卒業生の方に集まっていただき、どのように現在のキャリアを選択したのか、学生時代にしておくべきことは何か、都心で働くことの大変さや魅力、地方との違いについてなど、幅広いテーマについてそれぞれの職種の目線から、たくさんのお話をいただきました。異なる職業の方が一堂に会され、それぞれのお立場から多角的なアドバイスをいただく機会はこれまでになく、自分自身のキャリアや今後の職業選択の方向性を考える上で、大変得難い機会であったと感じています。

個人的には、海外のロースクールへの留学に関心があったので、実際に留学を経験された方から、留学の目的や留学先の選定理由、留学前にすべきこと(語学学習、アピールポイント、人脈作りなど)、留学に早めに行くとどのようなメリットがあるか、などについてお話を聞けたことが良かったです。また、かつての金沢の街や学生時代の思い出を何気なく語りあう先輩たちの姿から同窓の結びつきを感じ、特別な雰囲気の場であったことも印象的でした。

金子浩子先生、顧問の福本先生をはじめ、ご参加くださった卒業生の方々、皆様のお力添えに心より感謝申し上げます。なお、金沢法友会では、今回の開催を機に、来年度以降も懇談会を開催することを計画しています。

法学類3年 K. I.

 


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