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法学類月報第128号を発行

法学類月報第128号を発行

法学類月報は、広報委員会および学生ボランティアの協力により、法学類の最近のトピックやコラム、エッセイなどを通じて法学類の「今」を関係者の皆様にお伝えするものです。

※試行的にhtml版を直接掲載しています。PDF版はページ下部のリンクからご利用いただけます。


金沢では今年に入ってすでに2回も大雪が降りました。真っ白な角間は美しいですが、雪道は少し進むのにも苦労します。第128号はそんな雪道を果敢に進み続ける先輩たちによる記事です。石田先生のエッセイ、先輩メッセージ、そして「何でもQ&A@法学概論」待望の第2弾です!


教員エッセイ:第85回 石田道彦(社会保障法)「法学政治学研究への招待(北陸番外編)」

今年度は、新科目「法学政治学研究への招待」のコーディネーターを担当した。法学系教員8人に研究者になった経緯や研究の楽しさを語ってもらい、学生の皆さんに大学院進学への関心を高めてもらおうという企画である。約60名という予想外の受講者数で、受講者からは「もっと早くこの講義を受けたかった」、「先生方の経験談が今後の学生生活の指針になった」などの感想をもらった。担当者として望外の喜びである。

講義を担当いただいた先生方に改めて感謝申し上げます。

さて、この授業のために講義室に向かううちに、自分が大学院に入ったきっかけが思い出されてきた。35年前の冬のある日、当時社会保障法を担当していたI先生は講義で次のように述べられた。「社会保障法は新しい法律分野だ。外に広がる雪景色のように誰の足跡もついていない。足跡を残すのは君たちだ。」迂闊な私は、その言葉を真に受けて大学院に進学、社会保障法の研究を始めた。が、研究者の端くれとなってみて、このメッセージがもつ別の意味に気が付いた。雪に残ったわずかな足跡(研究業績)は新雪や雪解け(度重なる社会保障制度改革)ですぐに消えてしまう。それどころか装備(研究)が不十分だと遭難の危険さえあるではないか。I先生の退職記念パーティでそのように伝えたところ、先生は苦笑されていた。

いまだに悪戦苦闘中ですが、山頂から見渡す雪景色は最高だと皆さんに伝えられるように頑張ります。

角間キャンパスの雪景色

先輩Message:V.フランクルの啓示

去る令和6年11月、大貝葵准教授及び福井刑務所長・森川久浩先輩の御縁により、金沢大にて刑務所に関する講演をさせていただきました。学内へ入るのは卒業以来でしたが、あの頃と変わらない学舎で、皆様が法学に向き合うお姿が映え、大変懐かしく、また心強く思ったところです。

現在、私は富山刑務所長を拝しております。ですが金沢大では樫見由美子先生のゼミで民法を学んでおりました。卒業後は不徳がたたり、就職もままならず、新聞記者や様々な職種を経験しましたが、樫見先生や出会った方々の御縁で刑事分野に進んで刑務官となり、刑務所での現場勤務を経て東京・霞が関の法務省に出仕し、大臣官房や矯正局で20年ほど、職員の給与・定員管理や人事配置、司法試験や各種採用試験など人事業務を担当しつつ、現在に至っています。

「人生には、どんな状況においても意味がある。我々は人生から意味を問われる存在であり、問いに真摯に応えなければならない。」(V.フランクル)。

刑務所は今、拘禁刑の導入という、明治以来の歴史における大きな変革の時を迎えています。その刹那において、学生時に民法を学んでいた自分が、刑務所を運営する責任を負っている不思議さを思うこともありますが、それでも即今、自らが負うべき大きな命題に打ち込むことが、金沢大で過ごした日々や、無職のままあがいていた若い頃、昼夜なくスクープを追いかけた記者時代、そして法務省において出会った様々な御縁の、その「意味」を見出すことにつながるのではないかと、心に銘じているところです。

法学類の皆様の、更なる発展と御活躍を祈念しております。

富山刑務所所長 小阪知晃(旧姓竹村)

 

Topics: 何でもQ&A!@法学概論 Part2

Q:弁護士にむけて今からできることはあるか
A:勉強勉強ひたすら勉強です。が、しかし、弁護士は、時に理不尽なことを引き受けねばなりませんので、そういう意味では、いろいろ人に会って、色々な考え方を知っておくために、いろいろな体験をすることをお勧めします。
Q:拘置所内での教戒室は政教分離に反していないか
A:では逆に、死刑囚の方の宗教の自由はどうしたらいいと思いますか?
Q:死刑を立法として残しているのに事実上廃止している国は、立法国(?)としてよくないのでは?
A:立法としての法律と、適用・運用していく場合の法律とのあり方や関係について、ぜひ、法学類で学んでください。面白い観点だと思いますよ。
Q:法学が面白くなるのはどの辺ですか?
A:この質問自体、すでに、法学が面白くなっている証拠です。強いて言うなら、自分事になった時でしょうか。

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