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法学類月報第126号を発行

法学類月報第126号を発行

法学類月報は、広報委員会および学生ボランティアの協力により、法学類の最近のトピックやコラム、エッセイなどを通じて法学類の「今」を関係者の皆様にお伝えするものです。

※試行的にhtml版を直接掲載しています。PDF版はページ下部のリンクからご利用いただけます。


ついに角間に雪が舞い始めました。とはいえ、雪が降っていたと思ったら晴れ、また雪そして晴れ…、天気がコロコロ変わります。「弁当忘れても傘忘れるな」、金沢の天気は変わりやすいことで有名です。今号は大貝先生のエッセイ、11月に行われた⾦沢市⻑による講演会の報告、新しく開講された「特講B(不動産登記法)」の講義紹介です。


教員エッセイ:第83回 大貝葵(刑事訴訟法)

つい先ごろ、『銭天堂』という映画を見た。その中で、「人は汚い気持ちもある。でも、きれいな気持ちも持っているのよ!!」という意味のセリフがあった。あ~とても良い言葉だなと素直に思った。私自身、あまり、人付き合いが得意ではない。その理由が、適当(適度)に付き合っているうちは、みんなよい人に見えるのに、付き合いが深まるにつれて、なんだかな~と自分とはあわない面を見つけてしまって、付き合いづらく感じてしまうことがあるからだ。他方で、決定的に、この人は嫌いという人もいない。この人のこの面は苦手だけど、でも、この部分は尊敬しているということも多く、全面的に無理ですという人にはまだあったことがない。

ものすごーく、おおまじめに書けば、私が専門として研究している少年法の裁判例の中にも、目を覆いたくなる犯罪を行った少年たちがいる。その行為だけ、その瞬間だけを切り取れば、極悪人に見える。しかし、例えば、その少年が17歳だったとして、それまでの17年×365日×24時間=148,920時間は、いわゆるみんなと同じように生活してきたはずである。その、約15万時間を無視して、その人の評価をすることは、とても、難しい。

子どもたちの権利や自由が大事だと、論文でもっともらしく書いている私は、今日も、自分の子どもたちに「はやくしなさーい!」と怒鳴りながら過ごしているのである。

 

最近の出来事から:金沢市長をお招きして講演会を開催しました

2024年11月5日(火)に法学類特別講演会として、金沢市長の村山卓氏をお招きして講演会を開催しました。この講演会は、法学類公認サークルのE7が、学生の地域や政治への関心を高めたいという趣旨で企画したものです。前半はパワーポイントを使って60分程度で金沢市のまちづくりについてのお話をされ、後半は30分程度でフロアからの学生の質問にお答え頂きました。

前半のお話では、少子高齢化の進展や都市間競争の激化などの市政を取り巻く環境の変化を受けて、文化や市民との共創を重視し、世界を見据えて未来を切り拓いていく「未来を拓く世界の共創文化都市」を金沢市の将来像として定めたことや、その実現に向けた具体的な政策についてのお話をされました。

後半の質疑応答では、金沢市の国際化への対応、人口減少への対応、北陸新幹線敦賀延伸への対応など、様々な角度からの学生の質問にお答え頂きました。質問は途切れることなく、講演の終了予定時刻が迫ってヒヤヒヤするほど活発な質疑応答となりました。それだけ興味を持って聞いてくれていた学生が多かったのだと思います。

最後に、学生へのメッセージとして、大学生の時期はこれからどういう人生を送るかが決まってくる大切な時期なので、社会人になる前の自由な時間を有効に使って欲しい、などのお言葉を頂きました。

この講演会が、学生の皆さんにとって意義深いものとなったならば幸いです。

岡田 浩(教授・投票行動論)

 

講義室から:今年度Q4開講!「特講B(不動産登記法)」

「特講B(不動産登記法)」は、今年度から第4クォーターに新規開講した授業です。不動産登記実務に携わっておられる司法書士、土地家屋調査士の先生方をオムニバス形式で講師としてお招きし、単なる法令の解説にとどまらず、専門士業のお立場から不動産登記実務の紹介をしていただくことで、学生に対し、法が実際に使われている現場からの知見を提供することを目指しています。

法学部の授業は伝統的に、それぞれの法分野について体系的に記述された教科書に基づく、研究者教員による講義を聴講するというスタイルのものが大きなボリュームを占めています。それ自体の必要性・重要性は言うまでもありませんが、往々にして学生が教科書や教室に「正解」があるかのように錯覚し、現実社会において法が課題解決のために果たしている役割を見失いかねないことが指摘されていました。

今回の授業は、毎年開催しているセミナー「司法書士って知っていますか?」の折に、司法書士の先生に開講を打診したところ、土地家屋調査士会にもお話しをしていただき、石川県司法書士会・石川県土地家屋調査士会による寄付講義という形で開講に漕ぎつけることができました。初めての試みということで手さぐりの部分もありますが、試行錯誤を重ねながら充実させて行きたいと考えています。

福本知行(教授・本授業コーディネータ)


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