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法学類月報第118号を発行

法学類月報第118号を発行

法学類月報は、広報委員会および学生ボランティアの協力により、法学類の最近のトピックやコラム、エッセイなどを通じて法学類の「今」を関係者の皆様にお伝えするものです。

※試行的にhtml版を直接掲載しています。PDF版はページ下部のリンクからご利用いただけます。


ご卒業おめでとうございます。門出を祝う今号は、法学類長から卒業生の皆さんに贈る言葉、ウィークエンド・ロースクールの対面開催報告、大学院科目先取履修のススメです。何を格好いいと感じ
るかは人によって違うと思いますが、誘惑に負けない痩せ我慢はとても格好いいと私は思います。新しい道に進まれる皆さんの前途が明るく豊かなものでありますように。


卒業生に贈る言葉―「四知」―:
法学類長 中村正人先生

中国の古い言葉に「四知」という故事成句があります。これは『後漢書』等の書物に載せられている以下のようなエピソードに基づくものです。

後漢の楊震なる人物が、ある郡の長官に任命され、任地に赴く途中に昌邑という街に立ち寄ったところ、その地の長官であった王密が夜間密かに楊震の許を訪れ、金十斤(要するに賄賂)を贈ろうとした。受け取りを断る楊震に対して王密は、「このことを知る者は誰一人おりません(だから安心して受け取ってください)」と言ってなおも食い下がった。その時楊震は次のように言ったという。
 天知、地知、(天が知っている、地が知っている、)
 我知、子知、(私が知っている、あなたが知っている、)
 何謂無知。 (どうして誰も知らないなどと言えるだろうか。)
これを聞いた王密は自分の行いを恥じて帰って行った。

この故事成語は、「秘密は必ず露見する」という意味で通常使用されますが、私にはこの言葉にはもう一つの意味合いが含まれているように感じます。すなわち、天や地の神様はともかくとして、他人を騙すことはできても、自分自身を騙すことは決してできないということです。近頃は手段を選ばず不正をしてでも成果を挙げようとする風潮が往々にして見られますが、インチキをして得た成果には何の価値もありません。何よりもインチキしたことは自分自身がよく「知っている」わけですから、心からの満足感を得ることはできないでしょう(インチキしてよい結果を得ても嬉しくないでしょう?)。

人間は本来弱い生き物ですから、つい誘惑に負けそうになることがあるかもしれませんが、その時にはこの「四知」の故事を思い出し、自分自身に対して堂々と胸を張れるような人生を送ってください。

 

最近の出来事から:「リアル開催復活!ウィークエンド・ロースクール」

法学類ウィークエンド・ロースクールは、法学類公認サークル「金沢法友会」と「E7」の学生が企画・運営する高校生向けのセミナーです。2019年度のスタート以来、法・ルールについて単なる知識の伝達ではなく、その基礎にある原理・原則や価値にさかのぼった思考と学びの機会を提供していますが、2020年度以降、コロナ禍のためにリモート開催を余儀なくされていました。もちろん、リモートにも良さはありましたが、やはり高校生と大学生がリアルで交流する意味は大きい、ということで2023年度はリアル開催の復活に踏み切りました。

苦労したことは、民間企業への就職活動はかなり個人戦であるということである。自ら情報を集め、インターンシップ等に申し込み、自己分析や面接対策を行う。しかし公務員のように様式の定まった試験があるわけではなく、何をやったらよいのかということが不明確である。しかも、私の学年はコロナ禍とともに大学生活が始まり、例年に比べ友人関係など横の繋がりが希薄でもあり、これが「個人戦」という印象に拍車をかけたようにも感じる。また、これはかなり個人的な意見だが、公務員志望と比較すると大学からのサポートも薄いように感じた。

3年ものブランクのため、学生のスキルの継承が途切れたことが心配でしたが、教材は過去に先輩が作成したものを微修正して使用し、また夏以降、以前からご縁のあった高校や中学校にご協力をいただいて、リアルでのファシリテーションの経験を積む機会をできるだけ多く確保しました。結果的に、本番で気後れするような学生もおらず、コロナ禍からの復旧・復興が大きく前進しました。

さて、6年目となる次年度のウィークエンド・ロースクールは、石川県立図書館との連携事業とすることを計画しています。6月以降、3か月に1回程度、角間の山を下りて県立図書館で開催予定です。詳細は決まり次第、法学類HP等でお知らせします。要チェックです!

ウィークエンド・ロースクールの様子の画像

ウィークエンド・ロースクールの様子

福本知行(金沢法友会顧問)

 

「大学院授業科目の先取履修のススメ」

本学には、大学院進学を推進する観点から、学類4年次(早期卒業予定者は3年次)に大学院の授業科目を合計10単位まで履修することができる「先取履修」という制度があります。先取履修によって修得した単位は、学類卒業後2年以内に本学の大学院に進学した場合、既修得単位として認定され、大学院の修了に必要な単位にカウントされます。したがって、この制度は特に、法曹養成プログラムに登録している法学類生に大きなメリットがあります。法学類の卒業に必要な単位をほぼ取り終えて、時間割に比較的余裕が出てくる4年次(早期卒業予定者は3年次)に法科大学院の授業科目を先取履修すれば、進学後に授業科目を履修して修了に必要な単位を揃える負担が大きく軽減され、司法試験受験のための勉強に充てる時間を確保することができるからです。

先取履修の手続き、対象科目等については、法学類Webページを参照してください(QRコード)。なお、先取履修として登録する授業科目は法学類の授業科目ではないため、GPAの対象ではなく、履修登録単位数の上限(いわゆるCAP)にもカウントしませんが、法学類の卒業に必要な単位に含まれないことには留意してください。また、本学以外の法科大学院に進学した場合は、進学先の法科大学院による審査の結果によって、既修得単位としての認定を受けられない可能性があることにも留意してください。

https://law.w3.kanazawa-u.ac.jp/brochure/29993

先取り履修の手続きについて(法学類Webサイト内)

(法曹養成委員会)


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