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法学類月報第117号を発行

法学類月報第117号を発行

法学類月報は、広報委員会および学生ボランティアの協力により、法学類の最近のトピックやコラム、エッセイなどを通じて法学類の「今」を関係者の皆様にお伝えするものです。

※試行的にhtml版を直接掲載しています。PDF版はページ下部のリンクからご利用いただけます。


この月報の発行日は法学類の一般入試初日です。皆さん、当時はどんな事を考えていましたか?あのころ思い描いていたような大学生活を送っていますか?さて、そんな2月25日発行の今号は、岡田先生のエッセイ、就職活動体験記、進路先報告のお願いです。この2月は気温が乱高下していますが、体調管理に気をつけて過ごしてください。


教員エッセイ:
第76回 岡田浩先生(投票行動論)

皆さんはテルミンという楽器をご存じですか?ソビエト連邦(現在のロシア)の発明家レフ・テルミンが1920年代に発明した、かざした手の動きで演奏する世界初の電子楽器です。その後、シンセサイザーに取って代わられましたが、ちょっとした手の加減で音が変わり、ゆらぎのある味わい深い音色で、今でも楽器として根強い人気があるようです。

20年ほど前に、レフ・テルミンの波乱の生涯を描いた『テルミン』というドキュメンタリー映画を映画館で見て感動してDVDも持っています。映画は、第二次大戦前、ソビエト連邦からアメリカに移住して華々しく演奏活動をしていたレフ・テルミンが、突然、ソビエト連邦に連れ戻されて電子兵器の開発に従事させられていたところ、1980年代に自由化が進んで出国できるようになり、アメリカを再訪して旧知の人々と再会するまでを本人や関係者の証言で追ったものです。個人の自由よりも国家全体の利害を優先させる全体主義体制の特質がよく描かれていて、政治学的にも興味深い映画なのですが、随所で挿入されるテルミンのきれいな音色がとても印象的な映画です。

その後、しばらくテルミンのことは忘れていたのですが、最近、法学類の私のゼミの卒業生の前田悠希さんから、テルミンの奏者としてコンサートに出るという案内を突然もらいました。映画のことでテルミンに興味もあったのでコンサートに行きましたが、きれいな音色に加え、映画のことや、前田さんの学生時代のことを思い出したりして、いろんな意味で感動しました。前田さんは、卒業後は法律事務所で働いていましたが、テルミンの音色をたまたま聞いて印象に残り、遠方の奏者の方のもとに通って学んだそうです。ちょっとした偶然や意志で人生どう転がっていくか分からないですね。北陸地方でコンサートをすることもあるようなので、よかったらぜひ聞きに行ってあげてください。

テルミンを演奏する前田悠希さん

テルミンを演奏する前田悠希さん

 

就職活動体験記:「民間企業への就職という選択」

私の周りの法学類生の多くは公務員への進路を選ぶ。しかし、その中で私は民間企業へと就職することを決めた。就職活動を通じて感じたことをここに記そうと思う。

苦労したことは、民間企業への就職活動はかなり個人戦であるということである。自ら情報を集め、インターンシップ等に申し込み、自己分析や面接対策を行う。しかし公務員のように様式の定まった試験があるわけではなく、何をやったらよいのかということが不明確である。しかも、私の学年はコロナ禍とともに大学生活が始まり、例年に比べ友人関係など横の繋がりが希薄でもあり、これが「個人戦」という印象に拍車をかけたようにも感じる。また、これはかなり個人的な意見だが、公務員志望と比較すると大学からのサポートも薄いように感じた。

しかし、民間への就職は場合によるが、公務員試験より必要な勉強時間が少なくて済む上、前述したような「個人戦」の裏返しとして「自由」でもある。また就職活動が終わる時期も民間企業の方が早い傾向にある。個人戦になりがちなせいで不安な面もあるが、時間的な余裕は作りやすいと感じた。この時間的余裕で、資格の勉強、旅行など、大学生活の貴重な残り時間を謳歌しやすい。これが民間と公務員を比較した時に非常に大きな差だと私は感じ、民間志望でよかったとも感じた部分である。

みんなが○○だから、と流されるのではなく、自分の考えで進路を決めてほしい。その中でこの文が少しでも何かの参考になれば幸いです。民間企業も悪くないですよ!!!!!

法学類4年 N. Y.

 

「法学類卒業生の進路について」

今号には民間企業への就職体験記を寄稿していただきましたが、この方も書かれているように、法学類の卒業生の進路としては「公務員ばかり」という印象があるかもしれません。たしかに、これまで法学類月報に寄稿いただいた既卒生(法学部時代含む)の皆さんのご職業も民間企業よりは公務員や法曹が多かったような気もします。

とはいえ、たとえば2023年度版の法学類案内に掲載されている卒業生の進路調査によると、官公庁への就職は43%、民間企業等への就職が41%と、ほぼ同数です。今号にご寄稿いただいた方の周りで「公務員ばかり」だということは、ひょっとしたら他のゼミでは「民間ばかり」という状況もあるのかもしれません(ゼミの科目特性にもよりますね)。

さて、ここでこのような話ができるのは卒業される皆さんに進路を報告していただいているからです。今年度卒業される方で進路報告がまだお済みでない方はぜひ、アカンサスポータル経由でご報告ください。

2022年度卒業生の進路

2022年度卒業生の進路

(法学類広報委員会)


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  • 関係者の皆様のご寄稿を歓迎します。採用された方には、法学類グッズを進呈します。
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