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法学類月報第111号を発行

法学類月報第111号を発行

法学類月報は、広報委員会および学生ボランティアの協力により、法学類の最近のトピックやコラム、エッセイなどを通じて法学類の「今」を関係者の皆様にお伝えするものです。

※試行的にhtml版を直接掲載しています。PDF版はページ下部のリンクからご利用いただけます。


第111号。ゾロ目って嬉しくなりませんか?そんな今号は木村先生のエッセイ、公開講座の開催報告、角間の生き物についてのコラムです。本格的に暑くなってきました。とくに自動車以外で角間坂を移動している人は熱中症に注意してください。


教員エッセイ:
第70回 木村高宏先生(公共政策論)

音楽を聴いたり小説を読んだりすると、私は本当にその音楽や小説(あるいは音楽家の思いや作家の狙い)を「正し」く受け取っているのか、ということが時折、気になります。

作品は一度世に出てしまえばその解釈は受け取ったものに委ねられる、という考え方には十分な説得力があります。とはいえ、自分が作者の、いわば正統な意図を正しく受け取ることができているか、という私の懸念はそのような考え方と同時に成立可能であるようにも思うのです。私が何を受け取るか、と、作者は何を表現したかったか、とは並立し得るのではないか、と。

正統な解釈をめぐる私自身の懸念の根源について、私は仮説を二つ持っています。第一は、私が受けた一般的(であろう)日本の国語教育で「このとき作者は何を考えていたのか」「ここで主人公がこのような行動をとったのはなぜか」といった問いが頻出であったせいで、私が今でもその思考に囚われている、というものです。第二は、自身の解釈だけでなく正統な解釈を知っておきたい、という私の強欲です。正統を知っている方が知らないよりもより深く(あるいはより多面的に)楽しめるはずだ、という思い込みがそこにはあります。前者を教育の呪い、後者を教育の恵みと呼んでもいいかもしれません。

大学の教員としての「教育」を擁護する立場でのポジショントークに聞こえるかもしれませんが、私としては、知らないより知っておいたほうが何か「いいこと」があるような気がします。

ごく個人的な経験で補強します。担々麺はもともとは天秤棒を担いで行商していたのでスープではなくタレを絡めて食べる料理だったと知り、探して汁なしの担々麺を食べたことがあるのですが、花椒のキリッと効いた汁なし担々麺は素晴らしく美味しいものでした。暑い夏、またあれを食べたいなあ……

 

最近の出来事から:「金沢大学公開講座2023」

2023年度公開講座で講師を務められた石尾先生

凛々しく公開講座に臨む民法の石尾先生

2023年6月18日(日)に金沢大学公開講座「高校生から分かる法学・政治学の諸問題」が催行され、石尾智久先生が「SNSで悪口を書かれたら?―デジタル社会における法の役割」、私早津が「学校の先生の働き方はブラック??―公立学校教員の労働時間問題について考える」と、最近世間でも注目を集めているテーマで講演しました。

私の講座では、「労働法」という「大人向け(?)」の内容であるものの、高校生にとっても身近な「学校の先生」をめぐる問題を取り上げました。労働法の意義や労働時間規制の基本構造から始まり、日本の公立学校教員の過酷な労働実態、その背景・要因、また、「給特法」という特殊な法律ができた経緯・本来的意義、その後の裁判例の展開、そして、近時進められている「改革」の内容と評価……といった流れで話を進め、質疑応答の時間には、より抜本的な改革のために必要となる政治プロセスにも話が広がり、活発な議論が交わされました。少しでも有意義な時間を提供できたのであれば幸いに思います。

普段、同僚の講義姿をみることはあまりありませんが、講義スタイルや工夫、話しぶりなど学ぶ点も多く、教員個人としても良い刺激を受けることができました。

〈追伸〉終了後の講師間での意見交換会(感想戦)も盛会のうちに終了しました(※お酒は20歳になってから)。

早津 裕貴(労働法)

 

「角間の生き物たち」

金沢大学は、国公立大学の中で全国2位の敷地面積を誇ります。35年前に山を切り開いて作られた角間キャンパスは、本当に自然が豊か!クマやイノシシ以外にもたくさんの生き物が姿を現すことで知られています。レア度順にご紹介します。角間に通う皆さんは、出会ったことがありますか?

角間キャンパス近辺で見られる生き物(カードゲーム風)

 


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