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法学類月報第100号を発行

法学類月報第100号を発行

法学類月報は、広報委員会および学生ボランティアの協力により、法学類の最近のトピックやコラム、エッセイなどを通じて法学類の「今」を関係者の皆様にお伝えするものです。

※試行的にhtml版を直接掲載しています。PDF版はページ下部のリンクからご利用いただけます。


法学類月報100号記念!!金沢大学法学部出身教員座談会「法学部&法学類 今昔」

2013年10月に発行を開始した「法学類月報」が、この度なんと100号を迎えることができました。これもひとえに読者のみなさま方の暖かい応援のおかげです。原稿依頼にお応えいただくばかりか、ご寄稿、ご声援等を賜りありがとうございます。

今号は100号を記念し、金沢大学法学部の卒業生でもあり、現在金沢大学法学類で教鞭をとっておられる6名の先生方に「法学部&法学類 今昔」をテーマにいろいろと語っていただきました。


【座談会出席者】

  • 中村正人先生 86年3月卒
  • 石田道彦先生 92年3月卒
  • 合田篤子先生 96年3月卒
  • 山崎友也先生 96年3月卒
  • 福本知行先生 98年3月卒
  • 丸本由美子先生 04年3月卒

注:金沢大学は1989年(平成元年)より金沢城内キャンパスから角間キャンパスに移転開始(文学部・法学部・経済学部)。1993年からは教養部も移転したため、法学部学生は入学時より完全角間キャンパスとなる。法学部から法学類に改組されたのは2008年。


まずは教員目線から、今現在の法学類の印象をお聞かせください。

  • ● いい意味で真面目な学生が多いですね。教員に対するリスペクトもあります。合理的精神も持ち合わせていて、そのおかげでコロナ対応のハイブリッド授業もスムースに進めることができたと思います。
  • ● 素直な子も多いですね。土地柄もあるのかな。素直というのは、物事を学ぶ上でとても大事な特性だと思います。
  • ● 公務員をはじめ将来の進路希望が明確なせいか、勉強するのを厭わない印象がありますね。
  • ● 公務員志望が多いことはたまに懸念の文脈で話題にされますが、そもそも国立大の法学部って官僚の供給を期待されてきた側面がありますから、使命を見事に果たしているわけですよ。 
  • ● 先生方でいうと、若い先生も多くてコミュニケーションがよく取れていると思います。分野の溝もなくて世代関係なく仲がいい。他大学の人から羨ましがられていますよ。
  • ● 遊び心のある人も多くて、雑談をしている中で仕事に関するアイディアが出てきたりすることも多いです。法学類オリジナルキャラクターのカイチも、そんな中で学生を巻き込んでコンテストを開催して生まれましたから。
    カイチ

    ※中国の伝説上の祥獣をモチーフにしたカイチ

カイチといえば、最初の募集の掲載は法学類月報第45号(2017年9月)でした。そもそも月報を発行したのはどういう経緯だったのでしょう。

  • ● 法学って地味じゃないですか。(一同:笑)法学の分野自体が地味だし、一般の人にかみ砕いて説明するのが難しい学問で。
  • ● 論文も長いし。
  • ● そんな中で、法学を選んで学ぼうとしてくれる学生にどうやってアピールしたらいいかを考えた時に、もう少し積極的に金沢大学法学類を知ってもらえるツールがあったらいいということで。
  • ● 各先生の個性の発揮されたエッセイとか、講演会やイベントのお知らせ、公認サークルの活動や留学体験記、社会に出た先輩方からのメッセージなど、盛りだくさんの内容ですね。
  • ● 隠れ(?)ファンも多いという噂です。事務の方や他大学の先生も読んでくれてるとか。もちろん在学生も参考にしてもらえる部分は多いですし、ゼミの先生の記事に盛り上がっているという話も聞きますよ。
  • ● 法学に興味のある高校生が読んでくれても、すごく具体的に身近に法学類を知ってもらえるんじゃないかと思いますね。

先生方自身の学生時代はどうでしたか?

20世紀末の角間キャンパス

退職された先生の研究室から発掘されたスライド:20世紀末の角間キャンパス

  • ● とにかく地味でしたね。(一同:笑)
  • ● 昔は服装を見ただけで法学部の学生だって分かった。今はすっかりおしゃれになりましたね。
  • ● 昔の大学の先生といえば自由人でクセの強い人も多かったので、授業も独特。ついていくのに必死でしたよ。
  • ● 自分の興味関心のある話、まさに今自分が研究している現在進行形の、結論のない話をされる先生とかもいましたよね。「ん?あ、これはこうか」と講義中に一人で納得されて、自分の研究を今進めてますよね、みたいな講義もありました。
  • ● 今なら「ちゃんと結論のある話をしてください」って授業アンケートに書かれるかも。
  • ● 確かに(笑) 今の授業は親切で分かりやすい分、学生の「分かる努力」をそいでいるかもしれませんね。授業は分かって当たり前というか。分からないと不満、と感じる学生は多いかもしれません。

時事問題を扱う講義科目が少ないという話もありますが。

  • ● 海外だとLGBTQの話を扱う講義なんかもありますけど。例えば時事的なテーマを扱うオムニバス科目を開講したら、需要はありそうなんですがね。
  • ● 興味を持っている学生もいるとは思いますよ。ただここ数年、必修科目が増えすぎてて、その枠を埋めることを優先するせいか、実際には履修者が集まらないかもしれませんね。
  • ● バイトも大変そうだし、就活もありますしね。
  • ● でも法学類の学生は真面目だから、何かしら頑張れちゃうと思ってますし、いろんな機会を活かして幅広く知識を身につけてくれることを期待してます。
  • ● 何事も知って悪い、ということはないですしね。
  • ● そもそもいろんなことを知らないと、変化に正しく対応できないですし。過去の失敗を知っているだけでも違ってきます。

法学部の伝統というか、受け継がれているもの、あるいは受け継いでほしいものはありますか?

  • ● ……批判精神とか?
  • ● そうですね、「筋を通す」みたいなところは大切にしてほしいですね。法学は考え方の普遍性みたいなものを重視しているんです。その普遍性のためには、これまでどのように考えられてきたのかという道筋を知らなければならない。脊髄反射的な言論とか、流行だけのハリボテの思想に惑わされないために、考え方の基礎体力を養ってほしいと思います。何というか「キラキラしたパワポ」に騙されない力が重要。
  • ● 法律が必要な場面って「レアケース」なんですよね。みんながハッピーなときはルールなんて特にいらないわけで。普段の何気ない生活を送っている中では気づかれにくいですけど、「そんな事起こる!?」というレアケースは、100回に1回、1000回に1回かもしれないけど、実際には起こっている。刑法とかをやってる先生は、特にそういう事例をいやというほど目にしているんですが。その時に必要とされるのが、それこそ普遍的な考え方の基礎体力だったりするんですよね。
  • ● 筋を通したり、過去を踏まえて批判精神を持ったりというのは、ある意味で、今の社会に最もウケないことの一つのような気もしますが(笑)
  • ● たしかに、いろんなところで煙たがられたりしますね。ああ、あくまでも一般論としてですよ(笑)もちろん、黒を白という相手に対して、真っ向から黒を黒と言って砕ける、なんてことを望んでるわけではないです。
  • ● ただ少なくとも、おかしなことに心から迎合しないとか、そういう心持ちは大切に育んでもらいたいなと思います。

懐かしい話から今の話題まで尽きることなく続いた座談会でした。法学類月報は、今後も発展を続ける法学類についての様々なトピックスを提供していきます。どうぞご期待ください。ご寄稿もお待ちしております。


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  • 関係者の皆様のご寄稿を歓迎します。採用された方には、法学類グッズを進呈します。
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