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法学類月報第87号を発行

法学類月報第87号を発行

法学類月報は、広報委員会および学生ボランティアの協力により、法学類の最近のトピックやコラム、エッセイなどを通じて法学類の「今」を関係者の皆様にお伝えするものです。

※試行的にhtml版を直接掲載しています。PDF版はページ下部のリンクからご利用いただけます。


今号は村上先生のエッセイ、公開講座のお知らせ、東川先生による「英語力」に関する寄稿です。第1Qの試験を目前に控えたこの時期に講義がオンライン一本化されたり何だかバタバタしていますが、皆さん、心身ともに健康第一で(勉強もそれなりに)うまく乗り切ってください。

教員エッセイ
第50回 村上裕先生(商法)

福井県立図書館のWebサイト内に、「覚え違いタイトル集」というものがあります(https://www.library-archives.pref.fukui.lg.jp/tosyo/category/shiraberu/368.html)。同図書館のカウンターに寄せられた、「〇〇というタイトル(または著者名)の本が見当たらない」という相談のうち、ユニークなものをまとめたものです。例えば、『置かれた場所で咲きなさい』という本を『そこで咲け』、『100万回生きたねこ』を『100万回死んだねこ』と覚え違いをするなど、どれも傑作ぞろいです(個人的には、『ツァラトゥストラはかく語りき』→『ストラディバリウスはこう言った』と覚え違えたというのが一番笑えた)。「男の子の名前で『なんとかのカバン』という本ありますか?」という質問から、『ハリー・ポッター アズカバンの囚人』を導き出したのは、司書さんこのヒントでよくたどり着いたなと感心するしかありません。

さて少しだけ大学の話をすると、対面授業のときには学生は、授業内のちょっとした疑問は友人同士で相談しあうことで解消できました。しかしオンライン授業では、それが難しい場合もあります。そこで、従来は質問がある場合は講義後に直接受け付けていましたが、現在ではアカンサスポータルと呼ばれる専用のサイトに掲示板・チャットを作って、そこで受け付けています。いつでも質問できるなど対面時と違う気軽さがあるためか、質問する学生は以前よりも増えています。そのうち、上記のようなユニークな難問も来るかもしれません。そのときは、先ほどの司書さんのように上手に答えられるようにしたいものです。

お知らせ:
公開講座「高校生から分かる法学・政治学の諸問題」を開講します

法学類では、法学研究科法務専攻(法科大学院)と共同で、高校生を含む一般市民の皆様を対象とする公開講座「高校生から分かる法学・政治学の諸問題」を下記の通り開講します。 昨年度は新型コロナウイルスの影響で中止となりましたが、今年度は十分な感染対策を取ったうえで、実施を予定しています(ただし、状況によっては中止となる場合がありますので、随時HPなどでご確認ください)。

この講義はKUGS高大接続プログラム対象講座となっておりますが、もちろん今の高校生だけでなく、昔の高校生の皆様のご参加もお待ちしています。

日時 6月19日(土)13:00〜16:20
場所 金沢大学サテライト・プラザ(金沢市西町三番丁16
なお同時配信会場として、小松会場・珠洲会場があります。
講師・テーマ
  • 13:00〜14:30「『18歳成年』時代の消費者保護」村上裕 准教授
  • 14:50〜16:20「新型コロナウイルスと人権」岡室悠介 准教授
定員 30名
受講料
  • 一般:1,500円
  • 高校生以下:600円
申込期限 6月11日(金)

公開講座についてのお申込み
・お問い合わせ先等

寄稿:「英語力とは何を言うのか」

数年前の東京での出来事。そば屋で食事をしていたら、親子連れが入って来た。しかし、食券機の使い方がわからない様子。すると、すかさずおじさんの店員が、オー、アウトサイド、テイクアルック、メニューボード、アンド、コイン、プリーズ、ディスマシーン、オーケー?と、完全にカタカナの発音の英語を話し出した。その親子連れは中国人らしい。その後店の外に出て、サンプルを一緒に見て戻って来てから、オーケー、ユーアーカレーライス、シーイズソバヌードル、ワンアイテム、オーケー?(食券を見せながら)オーケー、コール、ユアナンバーB-17、オーケーサンキュー、ウェイトアミニッツ!と、テキパキと対応していた。しばらくして番号が呼ばれ、2人とも自分で食事を取りに行き、親子で楽しそうに食べていた。その様子を見て私は考え込んでしまった。法学類の学生であの対応ができるだろうか、と。あのおじさんに、例えば2021年度入学の法学類生に課されているTOEIC570点の実力があれば、もう少し英語が上手で、発音もまだましなはずだ。なのに、あの「このおじさん、スゲー」感はなんなんだろう。

私たちは、TOEIC 750点のように、目標をクリアーするために勉強しがちだが、その本当の目的は、日本語や、日本で培った経験が役に立たない環境で、自分の「手持ちのアイテム」でなんとか状況を乗り切る胆力を鍛えることではないだろうか。それには留学が一番有効だろうが、経験値をあげるのは、観光地のアルバイトでも、SNSで友人をさがすでも、いろいろとあるはずだ。TOEICのスコアはまあまああるのに、いざとなったら「アハン、オーイエス、グッバイ」しか話せないのでは意味がない。学生のうちに英語でいちいち「ビビらなくて良い」レベルになれるように、努力してください。

東川浩二(外国法・国際交流委員会)


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  • 関係者の皆様のご寄稿を歓迎します。採用された方には、法学類グッズを進呈します。
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    (https://law.w3.kanazawa-u.ac.jp/category/brochure/geppo)
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