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岡田 浩 (公共選択論・情報処理)

岡田 浩 (公共選択論・情報処理)

今年の4月に、北海道の大学から、こちらに赴任しましたが、金沢の印象は、伝統工芸や古い町並みに代表される伝統的なものと、中心部の個性的な商店や21世紀美術館に代表される革新的なものが相俟っている町だということです。

私は、生まれは兵庫県で、大阪、広島、東京、仙台、北海道、そして今回の金沢と、引越しを繰り返してきましたが、北陸地方に住むのは初めてですので、こちらの自然や文化について日々新鮮さを感じています。

私は、社会の変化と、それを受けた人々の意識の変化が、政治参加や政党のあり方をどのように変えていくのかについて研究をしてきましたが、最近関心を持っているのは、社会の流動性の高まりが政治のあり方に与える影響です。

私自身の人生を振り返ってみてもそうですが、転勤等で国内、ときには海外に居住地を移すことは今では珍しくありません。そのような「地理的移動」のみならず、「社会的移動」についても、終身雇用制の崩壊などにより、職業・職場を途中で変えることは、ますます頻繁になってきています。

一方、政治参加や政党のあり方も最近大きく変わってきているといわれます。たとえば、日本を含む先進国では投票率や政党の得票率が、選挙のたびごとに大きくスイングするようになってきているということが指摘されています。政党については、階級や、宗教や、都市か農村か、などをめぐる「社会的亀裂」が、人々が支持する政党や投票する政党に影響を与え、それが各国の政党のあり方を固定化しているといわれてきましたが、最近は、その影響力が弱くなってきているということが指摘されています。

これらの政治の変化の背景には、社会の流動性の高まりによって、人々の利害意識や、人間関係のあり方、政治に関する情報の入手方法などが変化してきていることがあるのではないかと考え、現在、研究を進めています。

私の金沢での生活は始まったばかりですが、伝統と革新が相俟ったこの町と大学で、これからの社会と政治の行く末について研究するという機会に恵まれたことを嬉しく思っています。

2006年6月19日掲載